2019/5/31(金)~6/1(土)に、札幌コンベンションセンターにて開催された「OSC 2019 Hokkaido」 へ出展しました!
弊社は、2018年に続き、3回目の出展となります。
※OSCとは?
OSC(オープンソースカンファレンス)とはオープンソースの今を伝えるイベントです。
会場の入場料は無料で、企業・学生を問わず参加できます。
展示品の紹介
今年は、深層学習を応用したアプリケーションを、2点展示しました。
以下、展示アプリケーションを簡単にご紹介致します。
○画像解説アプリケーション
読み込んだ画像に対する、解説文を生成するアプリケーションです。
深層学習を用いて、読み込んだ画像に類似する画像を識別し、画像に関連付けられたキャプションを抽出・組み合わせることで、解説文を生成します。
学習モデルは、画像認識用のCNNモデルと、解説文生成用のLSTMモデルを組み合わせて構築しています。
事前学習データは、MS COCO と STAIR CAPTIONS のリソースを利用させて頂きました。今回は、2000枚の画像、および、対応する日本語キャプションを用いて事前学習をしています。
また、事前学習環境として、Google Colaboratory を活用しました。Google Colaboratory では、無料でGPU環境を利用できるため、手元にハイスペックマシンが無くても、手軽に学習モデルの構築ができ、非常に便利です。
○カメラによる植物土壌水分量の監視アプリケーション
カメラより定期的に植物画像(写真)を取得し、水分不足を検知したらユーザへ通知するアプリケーションです。
カメラ制御に Raspberry Pi を利用しており、Raspberry Pi への監視制御命令、および、ユーザ通知は Slack にて実現しました。(Slack API を利用)
さらに、Raspberry Pi上に Webサーバを立て、Webブラウザによるモニタリングも可能としています。
本アプリケーションでは、土が乾いているかどうかの判定に、深層学習を利用しています。濡れた土の画像 2000枚を事前学習データとし、LOF(外れ検知アルゴリズム)によって、乾いているかどうかを判定します。
また、判定処理を Raspberry Pi上で実現するため、学習モデルとして Mobile Net V2 を採用しました。Mobile Net は、モデルサイズが小さく、計算量も少ないため、モバイル端末上での深層学習に適した学習モデルです。
○使用技術等
以下、アプリケーション開発で利用した主要技術です。ご参考になりましたら幸いです。
- MS COCO (http://cocodataset.org/)
Microsoftが提供しているアノテーション付きの画像データセット - STAIR CAPTIONS (http://captions.stair.center/)
MS COCOで提供されているデータの日本語キャプションのデータセット - Google Colaboratory (https://colab.research.google.com/notebooks/welcome.ipynb?hl=ja)
クラウド上で実行される Jupyterノートブック環境 - TensorFlow (https://www.tensorflow.org/)
TensorFlow上で実行可能な高水準のニューラルネットワークライブラリ - Keras (https://keras.io/ja/)
TensorFlow上で実行可能な高水準のニューラルネットワークライブラリ - scikit-learn (https://scikit-learn.org/stable/)
Pythonの機械学習ライブラリ(機械学習全般のアルゴリズムが実装されている) - Slack API (https://api.slack.com/)
Slack と外部アプリケーションをつなぐインターフェース群 - jsmpeg(https://github.com/phoboslab/jsmpeg)
Java Script による MPEG1デコーダー - Mobile Net v2 (https://arxiv.org/pdf/1801.04381v3.pdf) ※原著論文
Googleが発表した軽量な学習モデル
当日の様子
当日は、実機によるデモを交えながら、アプリケーションの仕組みについて、ご説明させて頂きました。
学生・企業の方を問わず、計100名を超える方々にお立ちより頂き、今年の出展は大盛況であったと感じております。
また、弊社のご説明を熱心に聞いて下さる方や、OSCならではの情報交換を頂けた方もおり、非常に有意義な展示となりました。
弊社ブースへお立ちより頂いた方には、この場にて、御礼申し上げます。ありがとうございました。
来年に向けて
今年の展示で得た知見を追及し、また、新たな技術も獲得することで、さらなる高みを目指したいと思います。
社員の持つ経験とアイデアを活かし、来年は今年よりもパワーアップできるよう、切磋琢磨してまいります!